子牛の屈腱短縮症に対する切腱術

7/30松江市にてH27年度島根県獣医学会が開催されました。

本年度は当診療所から3題を発表しました。

 

まず1題目は「子牛の屈腱短縮症に対する切腱術」です。

 この演題は獣医学術中国地区学会に選出されました。

 以下、抄録とスライドを掲載します。

子牛の屈腱短縮症に対する切腱術

○原知也、長崎雄太、嶋田浩紀、足立全、岸本昌也、加藤大介

発表者所属:(株)益田大動物診療所

 

 

.はじめに:子牛の屈腱短縮症とは先天異常で球節が屈曲し伸展出来ない疾患である。副木を用いた外固定による治療が一般的であり、整復が困難な場合には切腱術が行われる。切腱術は浅指および深指屈腱を切るものが報告されている。今回、両前肢において重度の屈腱短縮症を呈した子牛に対して、浅指および深指屈腱、さらに副蹄遠位靭帯を切断し、良好な結果を得たのでその概要を報告する。

.方法: 重度の屈腱短縮症を呈した交雑種去勢子牛を用いた。この症例は1日齢、42日齢、及び70日齢において副木による外固定を行ったが、完治しなかった。そこで204日齢において球節の屈曲整復を目的として両前肢にて中手骨骨幹部掌側面から浅指および深指屈腱の切腱を行った。しかし、右前肢外側蹄においては屈曲し伸展に至らず、さらに繋骨冠骨掌側面から副蹄遠位靭帯を切断した。

. 結果:術前に両前肢の手根関節を外側に開くように起立していた姿勢、球節の屈曲は改善され、蹄底にて負重出来るようになった。

4.考察:今回の症例では球節だけでなく右前肢外側蹄においても屈曲が見られた。右前肢外側蹄の屈曲は浅指及び深指屈腱の切腱のみでは整復困難であり、副蹄遠位靭帯の切断が有効であった。

 

子牛の屈腱短縮症に対する切腱術

 

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