産道損傷で危機一髪!!

 9/11の夜、加藤Vetが搾乳立会をしていたところ、牧場スタッフの下瀬君より、「経産牛のお産が進まない様子です。」とのこと。早速内診してみると、陰門から30cmの膣粘膜に蛇行した拍動しているタバコの太さくらいの血管を確認しました。前の分娩の時に産道を傷つけ、創傷治癒のための栄養血管だったのでしょうか、注意して助産をしなければなりません。胎仔を娩出させ、多胎の確認の為、再度腕を挿入してみると、あろうことかその血管から、血液が噴き出しているではありませんか!。
 すぐにスタッフにバスタオルを持ってきてもらい、膣に挿入し圧迫止血です。同時に外科器具を手配し直接止血しなければなりません。しかし、膣内のことなので、膣鏡で創口を確認の後、腕を挿入しまたもや手縫いです。なんとか、出血箇所周囲を結紮縫合し止血完了。産道に溜まった10L程度の血餅(血の塊)を菌の培地になるので、掻き出します。感染防止のため抗生剤でよく洗います。
 ここからもう1R。
 出血量がかなりのものだったので、輸血をします。乾乳牛群から供血牛(血をくれる牛)選抜し、4L輸血しました。程々元気もあり、歩様もしっかりしていましたので、隔離せずに産褥期牛群のパドックに放しました。
 9/16現在元気食欲もあり、乳量も30kg/日量あり一安心です。
 次回種付けは未定ですが……。
 

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