子牛の臍帯炎からの腹腔内の膿瘍を切除しました。

 右田牧場の♂の生後5ヶ月の子牛の臍が腫れてきて、食欲はあるけど、腹腔内臓器と癒着していて、胃腸の動きを制限しているのか、それ自体のストレスのせいのためなのか、コンディションが落ちてきたので外科的に切除行いました。おそらく出生後まもなく感染したのが、抑えきれず膿瘍という形で出てきたのでしょう。一週間前、拳大の腫瘤物を確認したので、術中の汚染を避けるため、抗生剤を射ち続けた後、実施しました。
牛ブログ 004
 臍の周囲を切開、皮膚を剥離し、腹膜を切開し癒着の程度を確認します。幸いにも膿瘍と癒着していたのは腹腔内臓器を覆っている大網膜のみでした。
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 第四胃とか腸管だったら厄介ですもんね。又、胎児循環の名残である肝円索や膀胱円索に感染が及んでいて、腹膜や肝臓や泌尿器系に化膿性の炎症が認められるのも困ります。命取りになる時もあります。
 摘出した膿瘍に割面を入れてみました。
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 かなり厚い結合織のなかに膿瘍腔が認められます。
 実はこの手術、私(土江)個人的には好きでありません。膿瘍への栄養血管が皮下織に発達していて、かなり出血するのです。又、♂の場合包皮下の膿瘍を切除することになるので、最後縫い合わせる時、上手に形成してやらなければならないのです。

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